自己破産のデメリットを正しく理解する|生活への影響は?

自己破産を考えると、借金より先に「家はどうなる」「仕事は続けられる」「家族に何が起きる」と不安になるかもしれません。

生活のすべてを一律に失う手続きではありません。ただし、財産の扱いや保証人への請求など、先に知っておきたい影響があります。

影響があるものと、原則として失わないもの。ご自身の生活で気になるところから読んでみてください。

気持ちがつらいときの相談先(電話・チャット)

この記事を読み切ったり、お金のメモを完成させたりする前に、気持ちを話す相談先を使ってかまいません。うまく説明できなければ「いま、つらい」からでも。

  • 電話:#いのちSOS 0120-061-338(24時間365日・通話無料)
  • 文字で話す:あなたのいばしょ(24時間365日・無料・匿名のチャット相談)

混み合ってつながらない場合は、もう一方の方法も使えます。今すぐ自分を傷つけそう、すでに自分を傷つけてしまった場合は、相談の返事を待たず119へ。可能なら身近な人にそばにいてもらってください。

気になることから読めます。

目次

財産の整理と、残った借金の支払義務は別の判断

自己破産は、破産法に基づいて裁判所で行う手続きです。財産のうち、法律上手元に残せる物などを除いて、お金に換えられる物を整理し、お金を返す相手に分けます。

財産をお金に換えることを「換価」、分けることを「配当」といいます。

残った借金の支払義務がなくなるかは、別に判断されます。支払義務を免れるための「免責」が認められ、その決定が確定する必要があります。税金、罰金、養育費など、免責されない支払いもあります。

手続きで変わること・影響すること

家や車、預金などは、手放す対象になることがある

裁判所が破産手続を始めた時点の財産は、種類や価値などを確認されます。家や車、預貯金、保険を解約したときに戻るお金など。

そのうち、法律で手元に残せるとされる財産などは分けて扱います。手元に残せる財産を「自由財産」と呼びます。

「99万円以下」という基準は現金に関するもので、預貯金や保険解約返戻金を同じように扱えるという意味ではありません。

「20万円を超える財産は処分」と言われることがありますが、全国一律の法律上の基準ではなく、裁判所や事件処理によって運用が異なります。自由財産の拡張が認められる場合もあるため、申立先の裁判所または専門家への確認が必要です。

自己破産で換価対象になり得る財産と手元に残せる財産の確認ポイント

信用情報に登録される

自己破産に関連する情報の登録期間は、信用情報機関と情報の種類によって異なります。「自己破産なら一律で何年間」とは言い切れません。

信用情報機関公式情報で確認できる主な扱い
CIC官報情報は2009年4月から収集・保有していません。クレジット情報は契約中および契約終了から5年間です。破産については、会員会社が免責許可決定を確認してコメントを登録した日が起算点となります。
JICC契約時期と情報の種類で異なります。2019年10月1日以降の契約では、契約継続中および契約終了後5年以内が基本です。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)取引情報は契約期間中および契約終了日等から5年を超えない期間です。官報の破産・民事再生手続開始決定は、決定日から7年を超えない期間です。

登録期間が過ぎても、クレジットカードや住宅ローンの審査に通ることが保証されるわけではありません。審査は各社が申込時点の情報などを踏まえて判断します。

官報に氏名・住所などが掲載される

破産手続開始決定や免責許可決定などは官報に掲載されます。誰が目にするかまでは分かりませんが、氏名や住所が公開情報になる点は、検討するときに知っておきたいことの一つです。

家族に知られるきっかけは官報だけとは限りません。自宅への書類、同居家族に関する資料、家族が保証人になっている借入れなど、自分の場合に何が関わるかを相談先に聞いてください。「官報を見られなければ必ず知られない」とは約束できません。

一部の仕事や資格には、制限がかかる期間がある

破産手続開始決定を受けてから復権するまで、個別の法律により一部の資格・業務に制限が生じる場合があります。免責許可決定が確定すると通常は復権しますが、制限の対象と実務上の影響は職種ごとに異なります。

仕事への影響が気になるときは、勤務先での業務と保有資格を、相談先へ具体的に伝えてください。「手続き中の数か月だけ」と一律には判断できないためです。

ここでいう「復権」は、破産によって生じた資格などの制限がなくなることです。借金の支払義務や信用情報とは別の話なので、仕事の制限がなくなったことを、すぐにローンが組めるという意味には捉えないでください。

保証人・連帯保証人への請求は続く

本人が免責を受けても、保証人や連帯保証人の支払義務はなくなりません。保証人がいる債務は、手続きを選ぶ前に専門家へ必ず伝え、保証人への影響も含めて対応を検討します。

財産を調べる担当者が付く場合は、郵便や転居も確認する

破産管財人が選任される事件では、転居や長期の旅行に裁判所の許可が必要になったり、破産者宛ての郵便物が破産管財人へ転送されたりする場合があります。どの事件でも同じ制約が生じるわけではありません。

「破産管財人」は、裁判所が選び、財産の調査や処分などを担当する人です。この担当者が付く事件を「管財事件」といいます。

自己破産しても原則として失わないもの

生活に必要な家財と一定の自由財産

差押えが禁止されている生活必需品などは、原則として手元に残ります。また、99万円以下の現金など法律上の自由財産や、裁判所が拡張を認めた財産も換価対象から外れます。

原則として、破産手続開始後に新たに取得した財産は破産財団に属しません。ただし、開始前に原因がある請求権や、税金・差押えなど別の問題がある場合は個別確認が必要です。

戸籍・住民票・選挙権

自己破産の事実が戸籍や住民票に記載されることはなく、選挙権・被選挙権も失いません。一方で、官報には氏名や住所などが掲載されます。戸籍には載らないけれど、官報には載る。

家族名義の財産と家族自身の信用情報

自己破産は本人についての手続きです。家族名義の財産や家族自身の信用情報が、本人の破産だけを理由に処分・登録されるものではありません。

ただし、名義と実質的な所有者が異なる財産、共有財産、家族が保証人になっている債務は個別確認が必要です。今から家族名義へ変えれば残せる、と自己判断して財産を動かさないでください。過去に名義を変えたものも、その時期や経緯を隠さず相談先へ伝えます。

任意整理・個人再生・特定調停との違い

任意整理、個人再生、自己破産、特定調停には、決められた順番や一律の優劣はありません。借金額だけでなく、収入、財産、住宅、保証人、債権者の種類によって適否が変わります。

  • 任意整理:裁判所を使わず、債権者と返済条件を交渉する方法。合意できる保証はなく、元金が減らないこともあります。
  • 個人再生:裁判所で再生計画の認可を受け、法律上の基準で決まる額を原則分割返済する方法。返済額は単純に「5分の1」とは限らず、清算価値などにも左右されます。
  • 自己破産:一定の財産を換価し、免責許可決定の確定によって対象債務の支払責任を免れる方法。
  • 特定調停:簡易裁判所の調停委員会を介して、債権者と返済方法を話し合う方法。

個人再生の住宅資金特別条項にも要件があります。「住宅を必ず残せる」「他の借金が必ず5分の1になる」とは限りません。

相談では、生活で失うと困るものも伝える

「車がないと通勤できません」「仕事でこの資格を使っています」「保証人への請求が心配です」。相談では、こうした生活上の事情も伝えられます。

財産や書類を自分で処分してからではなく、手元にある状態で相談してください。

相談先に聞かれたとき、次の項目が手元にあると話しやすくなります。

  • 借入先、借入時期、現在の残高、毎月の返済額
  • 手取り収入と毎月の生活費
  • 預貯金、不動産、自動車、保険などの主な財産
  • 住宅ローン、担保、保証人の有無
  • 滞納状況、訴訟、支払督促、差押えの有無

どの専門家に相談すべきか迷う場合は、弁護士・司法書士・公的機関の違いを整理した記事も参考にしてください。

資料を一度に揃えるのが難しければ、まず手元にある明細から。分からない項目は、そのまま相談先に伝えられます。裁判所から書類が届いている場合は、提出期限を確認して早めに相談してください。

法テラスの無料法律相談は、収入・資産など所定の要件を満たす場合に利用できます。

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家や車、仕事への影響が心配なら、残したいものと今の借入状況を伝えて相談できます。自己破産だけに決めず、他の手続きが選べるか、費用はいくらかも聞いてみてください。

まとめ

自己破産では、一定の財産の換価、信用情報への登録、官報掲載、資格・業務の制限、保証人への請求などが問題になります。

一方、生活に必要な家財、戸籍・住民票、選挙権、家族自身の信用情報まで一律に失う手続きではありません。

どの手続きが合うかは、収入や借金額だけでは決まりません。「車がないと通勤できない」「保証人への影響が気になる」など、生活の中で困りそうなことも、弁護士などへ伝えてみてください。利用できる手続きと、その場合に何が変わるのかを一緒に確認するためです。

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この記事を書いた人

借金問題と債務整理を経験し、現在も生活の立て直しを進めています。本人の経験と確認した公的情報を分けながら、借金・家計・ポイ活について発信しています。

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