税金・社会保険料を滞納しそうなときの対応|差押えの前に相談する順番

税金や保険料の封筒を開けたら、払えない金額が書いてあった。ほかの請求もあると、どこから手をつけるか迷いますよね。まずは、その通知を一枚、手元に置いてください。

読む場所は、「何の支払いか」「期限」「問い合わせ先」。税金の制度に詳しくなくても、そこから相談を始められます。

目次

通知書で、連絡先と期限を見つける

  • 通知書の名称、期限、金額、問い合わせ先
  • 国税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料など、支払いの種類
  • 今月に払える額と、次の収入日
  • すでに届いている督促状や催告書

分からない項目を全部調べ終えるまで待つ必要はありません。まず通知書の問い合わせ先へ、次のように伝えます。

「通知を受け取りましたが、期限までに全額を払うのが難しいです。支払い方を相談したいです」

次の収入日や払える額が分かれば続けて伝えます。分からなければ「まだ分かりません」で構いません。「差押え」などの通知がある場合は、その書類名も最初に伝えてください。

すでに預金を差し押さえられ、生活費が足りないとき

税金や国保料の差押えで家賃や食費が足りなくなった場合は、差押えの相談と、当面の生活の相談を並行します。

  1. 届いた書面で、差押えをした機関と担当部署を確認する。国税なら書面に記載された税務署などの徴収担当、住民税・国保料なら書面に記載された自治体の担当窓口へ連絡します。
  2. 手元に残る金額、必要な家賃・食費、次の収入予定を伝える。「生活費が足りません。猶予や差押えの解除について相談できますか」と聞き、必要な申請と書類を確認します。
  3. 今日の食事や住まいにも困るなら、自立相談支援機関や福祉事務所にも伝える。「公的な生活支援の相談先」で窓口を確認できます。貸付・給付がその日に受け取れるとは限りません。

国税では、次の章で説明する猶予が認められた場合などに、すでにある差押えが解除されることがあります。要件や申請・審査があり、相談や申請だけで解除・返金が決まるわけではありません。

銀行だけで解除できるものでもないため、差押えをした担当部署に確認します。住民税・国保料の扱いは、自治体の担当窓口で確認してください。

税務署からの通知:国税の支払いを相談する

国税庁は、期限までに国税を納付しない場合、原則として納期限の翌日から延滞税がかかり、督促後も納付がないと差押えに至る場合があると案内しています。一方で、一定の事情により一時に納付できない場合には、換価の猶予や納税の猶予を申請できることがあります。

利用できるかは個別の事情で異なります。通知書を放置せず、所轄税務署の徴収担当へ早めに相談してください。分割納付や猶予が必ず認められるわけではありません。

「納税の猶予」は、災害や病気など一定の事情があるときに、納税を待ってもらう制度です。

「換価の猶予」は、税金を一度に払うと生活や事業を続けられなくなるなどの事情があるときに、差し押さえられた財産の売却などを待ってもらう制度です。

差押えは、税金の回収のために、預金などの財産を自由に使えない状態にする手続きです。

国税の「申請による換価の猶予」は、納期限から6か月以内に申請することが要件の一つです。この期限は、住民税や国民健康保険料などすべての支払いに共通するものではありません。6か月を過ぎていても相談を諦めず、ほかの猶予を利用できるか税務署の徴収担当に確認してください。

いずれも要件があり、税金そのものがなくなる制度ではありません。原則として担保が必要ですが、猶予を受ける金額が100万円以下の場合や、猶予期間が3か月以内の場合などは不要です。

どちらの猶予に当たるかを自分で決めてから電話するのではなく、支払いが難しい事情を徴収担当へ伝えます。

市区町村からの通知:住民税・国民健康保険料

住民税や国民健康保険料は、自治体ごとに窓口や案内が異なります。納付書・督促状に書かれた自治体の担当窓口に連絡し、支払いが難しい事情と、今後払える見込みを伝えましょう。

制度名がまだ分からなければ、「納付について相談したい」の一言から。必要書類は、担当窓口の案内に沿って準備できます。

会社を辞めて国保に入ったときの軽減

退職後に国民健康保険に入った人は、離職理由によって保険料(税)の軽減を受けられる場合があります。つくば市の案内では、失業時に65歳未満で、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に当たる人が対象です。

雇用保険受給資格者証か雇用保険受給資格通知の離職理由を確認し、市区町村へ申告します。

これは、保険料そのものを一律3割にする制度ではありません。保険料を計算するときに、対象者の給与所得を100分の30として扱う仕組みです。つくば市では、離職日の翌日が属する月から翌年度末までが対象です。

自分の金額は、住んでいる市区町村の国保担当に「失業による軽減の対象でしょうか。軽減後の保険料を試算してもらえますか」と聞いてみてください。退職した人全員が、この軽減を受けられるわけではありません。

退職直後なら、健康保険の任意継続を選べるかも先に確認します。協会けんぽでは、退職日までの被保険者期間が続けて2か月以上あり、資格を失った日(退職日の翌日など)から20日以内の申出が必要です。20日目が土日祝日なら翌営業日まで、郵送は期限内に届く必要があります。

国保と負担額を比べたい場合も、この期限を過ぎないよう、加入していた健康保険へ確認します。

国民年金:払う額を減らす・支払いを待つ制度を相談する

国民年金保険料には、所得が少ないときや失業等により納付が困難なとき、申請して承認されれば免除・納付猶予を受けられる制度があります。未納のままにせず、年金事務所または市区町村の窓口で対象になるか確認してください。

対象期間や年齢・所得要件があるため、「払えないから自動的に免除される」という制度ではありません。

退職したときは、失業による特例を伝える

年金の窓口では「退職して保険料を払うのが難しいです。失業による特例で免除や納付猶予を申請できますか」と伝えます。

退職した人の前年所得をゼロとして審査する特例ですが、免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人・配偶者の所得が関係します。納付猶予の対象は20歳以上50歳未満の人です。退職しただけで、必ず承認されるわけではありません。

離職票や雇用保険受給資格者証など、失業を確認できる書類を用意し、年金事務所か市区町村の国民年金担当へ申請します。電子申請もできます。国保の軽減を申告していても、年金の申請は別に必要です。

免除・猶予を受けた期間は、全額を納めた場合に比べて将来の老齢基礎年金額が少なくなります。10年以内なら、後から納める「追納」で年金額を増やせます。窓口では、今の支払いだけでなく、この違いも確認しておきます。

未納のままにすることと、免除・猶予の承認を受けることは別です。承認された期間は、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給資格にも関わります。ただし、受け取るには別の要件もあり、一部免除なら残りの保険料を納める必要があります。病気や事故が起きてから過去分を申請しても、障害基礎年金の納付要件に算入されないため、払えないと分かった段階で相談してください。

税金の相談と、借金の返済相談は分けて進める

税金・社会保険料の支払いを、新たな借入で埋めると翌月以降の家計がさらに苦しくなることがあります。固定費、借入返済、滞納している支払いを一枚に並べると、相談先を分けやすくなります。

借入返済も重なっている場合は、借金返済がきついときの最初の確認や、多重債務の相談先もあわせて確認してください。

税金の支払いと、カードやローンの返済は、相談を分けて進めます。税金は自己破産で免責を受けても支払義務が残ります。納付書の窓口には「いつ、いくら払えそうか」を伝え、債務整理を依頼する専門家には税金の滞納額も伝えてください。

納付方法が決まったら、その月額も生活費と借金返済のメモへ足しておきます。

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税金や社会保険料の支払いは、通知書に書かれた窓口への相談が先です。そのうえでカードやローンの返済も重なっているなら、借金の返済方法を弁護士に相談できます。税金まで債務整理で免除されるという意味ではありません。税金と借金を分けて金額を伝えてください。

電話で聞かれたら、同じメモに足していく

  • 通知書の番号・納期限・未納額
  • 収入の状況と次回の入金予定
  • 家賃、光熱費、食費など先に必要な生活費
  • すでに差押え・督促に関する通知が届いているか

電話では、今の事情と、手元の通知を見ながら話します。分からない金額や日付は、後から確認して伝える方法を聞いてください。

電話を終える前に、「相談の受付だけか、支払い方の変更まで決まったのか」「次に連絡する日」「必要な書類と提出期限」を同じメモに足します。自分だけで支払日を変えたつもりにしないことが大切です。

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この記事を書いた人

借金問題と債務整理を経験し、現在も生活の立て直しを進めています。本人の経験と確認した公的情報を分けながら、借金・家計・ポイ活について発信しています。

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