毎月返しているのに、なかなか借金が減らない。金利が低いローンに替えたら、少しは楽になるのだろうか。
借り換えを考えたら、まず今の明細を一つ開いてみてください。見るのは、残っている借金・金利・毎月払っている額です。
比べるのは「月々・回数・合計」の3つ。月々が安くなっても、長く払い続けると合計が増えることがあります。80万円の返済比較で、数字の見方を確かめます。候補がある方は、申込前の4つの準備へ進めます。
借り換えは、新しいローンで今の借金を返し、その後は新しい相手に返していく方法です。借金は、借り換えた後も残ります。新たな審査があるため、希望する金利や金額で借りられるとは限りません。
借り換えると、何が変わる?
変わる可能性があるのは、利息の負担と返済先の数。まずは金利だけを変えて比べます。「元金」は借金そのものの金額、「利息」は借りている間にかかるお金です。毎月の支払いは、この2つに分かれます。
同じ月25,000円でも、借金が減る速さは変わる
たとえば残高80万円を年18.0%から年13.0%へ借り換え、月25,000円の返済を続ける場合を試算します。
以下は特定の商品や審査結果ではなく、金利差を見るための計算例です。利息を「月初残高×年率÷12」で計算すると、初月の内訳は次のようになります。
- 年18.0%:初月25,000円のうち、利息は12,000円。借金そのものが減るのは13,000円
- 年13.0%:初月25,000円のうち、利息は約8,667円。借金そのものが減るのは約16,333円
| 金利 | 返す回数・総額 |
|---|---|
| 年18.0% |
完済まで 44回 総返済額 うち利息 |
| 年13.0% |
完済まで 40回 総返済額 うち利息 |
試算条件:月末返済、最終回のみ残額を支払い、固定金利、追加借入・延滞・手数料なし。途中の利息は丸めず計算し、表示額を円単位に四捨五入しています。実際の日割計算や端数処理、商品ごとの返済方式とは差が出ます。
この試算では、同じ月25,000円を返すことで完済が4回早まり、総利息は約11万円少なくなります。
一方、借り換え後に毎月の返済額を下げる場合は、別の計算が必要です。「金利が下がったから総額も必ず下がる」とは判断せず、提示された金利・返済額・回数・手数料を一組で比較しましょう。
表の読み方:「総返済額」は、返し終わるまでに払う合計です。「うち利息」は、その合計の中に含まれる利息なので、もう一度足す必要はありません。
月々の支払いも下げたい場合は、返済期間を3年・5年にした比較例も参考になります。こちらは残高150万円の別の試算です。同じ金利でも、月額と完済までの総額がどう変わるかを比べられます。
複数社をまとめるなら、残る支払いも数える
複数の借入をまとめて借り換える、いわゆる「おまとめ」では、返済先を減らせる場合があります。全部をまとめられれば、複数の返済日や引落口座を確認する手間も減らせます。ただし、対象外の借入が残る場合は、その返済も続きます。
ポイント:返済先が減っても、毎月必要なお金の確認は続きます。対象外の借入が残る場合は、新しいローンと合わせた支払予定を書いておくと見落としを防ぎやすくなります。
借り換えは、新しい契約。申し込む前に、手元の数字をそろえておきたいところです。
申込前に整理しておく4つのこと
全部の書類を一度にそろえようとすると、手が止まることもあります。まずは、今の返済に遅れがあるか、生活費を残して毎月いくら払えるか。この2つから始めます。準備は条件を比べるためのもので、審査に通る保証ではありません。
準備1:現在の支払状況と、払える金額を整理する
いま延滞しているなら、借り換えの結果を待つだけにせず、現在の借入先へ連絡し、支払える日と金額を相談しましょう。延滞を解消してから何か月待てばよい、という公表された共通の基準はありません。生活費を残しても返済が続かない場合は、借り換え先探しより借金の相談先につなぐことを優先してください。
CICの申込情報は、審査のために信用情報が照会された事実を示し、照会日から6ヶ月間保有されます。「否決」の結果が登録されるわけではなく、6ヶ月経過すれば審査に通る、という意味でもありません。
準備2:年収と借入総額を、資料で確かめる
消費者金融やクレジットカードのキャッシングには、原則として「貸金業者から借りている合計は年収の3分の1まで」という総量規制があります。1社ずつの上限ではありません。例外などもあるため、借り換えで何をまとめられるかは、次の説明と分けて見てください。
おまとめ目的と伝えるだけで、総量規制の例外になるわけではありません。貸金業者のおまとめローンは、金利や毎月の負担などについて法令上の条件を満たす場合に、例外貸付けに該当します。
銀行からの借入は貸金業法の総量規制の対象外ですが、銀行独自の審査はあります。どの借入をまとめられるかは商品で違うので、対象と条件を申込先に確認してください。
準備3:必要書類を先に揃えておく
本人確認書類、収入を証明する書類、現在の借入残高・金利・返済額が分かる明細を用意すると、数字を照らし合わせやすくなります。提出が必要な書類と対象期間は商品ごとに異なります。書類を揃えたこと自体が審査通過を保証するわけではありません。
準備4:年収・勤務先・借入状況を正確に記入する
年収や勤続年数、他社の借入額は、実際の数字をそのまま書きます。金額は記憶に頼らず、収入証明書や明細に合わせましょう。入力ミスに気づいたら、申込先へ訂正を申し出てください。
借り換えできないときも、時間を置けば解決するとは限りません。返済計画が成り立つかを見直し、支払いが難しければ今の借入先や相談窓口へ連絡しましょう。
審査に通らなかったら、何を確認する?
審査に通らないと、何がいけなかったのか気になりますよね。ただ、理由を外から一つに決めることはできません。今月分を遅れず払えたことと、新しい借り換えの審査に通ることも別です。返済履歴だけでなく、現在の残高や収入、商品条件なども審査されます。次は、支払いの遅れ・借りている額・申込先と日付・信用情報に間違いがないかを見ます。
- 支払状況:いま延滞している支払いと、信用情報に登録された入金状況
- 借換額と家計:残高を正確に把握し、新しい返済額を生活費と両立できるか
- 申込状況:申込先と日付を整理する。CICの申込情報は照会日から6ヶ月間保有
- 登録内容:身に覚えのない契約や、実際と異なる残高・入金状況がないか
信用情報は、CICなどの信用情報機関で本人開示して内容を確認できます。ただし、開示報告書に審査落ちの理由が記載されるわけではありません。申込情報の保有期間と、契約・返済情報の保有期間も別です。記録が消える時期だけを目安に申込みを繰り返すのではなく、実際に返せる条件かを先に整理してください。
借り換え後に確認したい3つのこと
借り換え後も、完済までの返済は続きます。新しい返済日と金額を、家計の予定に書き込んでおきましょう。
1. 完済したことと、元の契約の扱いを確認する
元のカードローンを完済しても、契約が続いていれば再び借りられる場合があります。そこで追加借入をすれば、借り換え先への返済と重なってしまいます。
まず完済したことを明細で確認し、借り換え先が求める完済証明などの提出も、手続きのメモに入れておくと忘れにくいですね。
手続きを進める前には、元の借入先へ「○日に完済するなら、いくら必要ですか」と聞いておきます。画面の残高だけで振り込まず、その日までの利息を含む完済額を確認してください。
先ほどの80万円の試算には、手数料は入っていません。実際の比較では、新しい返済予定表の総額に、そこに含まれない振込手数料などを加えます。元の借入れの利息も新しいローンで借り換える場合、その分は新しい返済額に含まれるので、もう一度足しません。「どの金額に何が含まれているか」を見てから合計します。
切り替わる月は、元の契約の引き落とし予定日と、新しいローンの初回返済日も並べます。完済の振込みと引き落としが重ならないか、元の借入先へ確認してください。重複して払った場合の扱いも、その窓口へ確かめます。
元の契約を解約する条件が付く商品では、その手続きも必要です。条件がなくても、再借入を防ぐため解約を検討できます。解約前に必要な明細を保存し、残額や手続き方法を確認して進めてください。
2. 返済額を下げる場合は、総額も再計算する
金利が下がれば、毎月払う額はそのままでも、借金そのものを減らせる分が増えます。
月々の支払いを下げるなら、返し終わるまでの回数と利息を計算し直しましょう。予定より早く返す「繰上返済」は、生活費を残せる場合に、手続きと手数料を確かめてから考えます。
3. 生活費が足りない場合は、返済方法を相談する
借り換え後の額で計算しても家賃や食費が足りないなら、金利を比べるだけでは解決しないことがあります。弁護士・司法書士や法テラスなどに「金利を下げても、毎月の支払いが足りません」と伝えてください。
利息や返済方法をどう見直せるか、債務整理も含めて相談できます。どの方法が合うかは、収入や借金の状況で変わります。
借り換えを考えるとき、ご自身の条件と照らし合わせる
以下は、借り換えの条件を考えるための目安です。当てはまる数だけで決めるのではなく、総返済額と、毎月払い続けられる金額を両方見て判断します。
条件を比べる材料がそろっている場合
- 提示された新しい条件で、手数料を含む総返済額が今より少なくなる
- 借り換え後の毎月返済額を、生活費を残して支払える
- 延滞なく返済を続けている
- 元の借入の完済と、必要な解約手続きを進められる
借り換え先の候補を横断的に比較したい場合は、中小消費者金融の一覧と比較も確認してみてください。
申込前に、返済方法から相談したい場合
- 金利が下がっても、期間延長や手数料によって総返済額が増える
- 延滞中、または申込直前に他社へ複数申込済みである
- 借り換えても月々の返済が収入に対して明らかに過大になる
相談窓口|一人で抱え込まなくていい
返済や契約の判断に迷う場合は、追加で申し込む前に借金の相談先(弁護士・司法書士・公的機関)の違いも確認してください。
相談するときは、例えばこんな言い方で。「今は毎月○円払っています。借り換えると○円になる案がありますが、生活費を残して払えるか一緒に見てほしいです」。今の明細と新しい返済予定表があれば持参し、分からない数字は空欄のままでも相談を始めて構いません。
借り換えで数字が改善しても、一人では整理が難しいこともあります。相談先は下記のように分かれます。
法テラスの無料法律相談には収入・資産などの要件があり、情報提供の電話窓口とは別のサービスです。また、188は相談自体は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります。
- よりそいホットライン(0120-279-338・24時間無料)
- 法テラスの情報提供窓口:0570-078374(通話料は利用者負担。無料法律相談の利用には別途要件あり)
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
- 消費生活センター(消費者ホットライン:188)
返済のことだけでなく、気持ちのつらさそのものを抱えているときは、よりそいホットラインのような窓口も遠慮なく頼ってください。お金の問題より先に、まず「今の自分の状態」を誰かに話してみることが、状況を動かす最初の一歩になります。
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返済のために、また別の会社から借りようとしているなら、次の申込み前に今の返済方法を相談できます。借入先ごとの残高、毎月の返済額、生活費を残して払える月額を伝え、「毎月の返済と依頼費用を合わせていくら必要か」を聞いてみてください。
まとめ:今の返済と新しい条件を並べて考える
借り換えを検討するときは、現在と借り換え後の「適用金利・毎月返済額・完済までの回数・手数料を含む総額」を並べることから始めましょう。
審査の前には、支払状況、借入総額、必要書類、申告する数字を整理します。返済実績があっても、より良い条件が提示されるとは限りません。
借り換え後は元の借入の完済を確認し、追加借入で残高を戻さないことが大切です。それでも家計が赤字になるなら、借り換えを繰り返す前に相談窓口を利用してください。金利だけでなく、完済までくらしを続けながら払えるか。最後は、そこまで見て決めましょう。
