返済日には間に合っている。延滞もしていない。それでも、返済後の生活費が足りなかったり、別の会社から借りて支払ったりしていませんか。「今月も払えた」と「無理なく返し続けられる」は、分けて考えてみたいところです。
このページでは、まず残高・元金・生活費の3つを確認します。そのあとで、2万円を返しても借金全体が増える例を見ながら、自分の借入と返済のお金の出所を一枚に並べていきます。
借りるための検索や、次の返済日のことで頭がいっぱいになることもあると思います。下の図は、収入から返す場合と、別の借入で支払う場合の違いを表しています。

気持ちがつらいときの相談先(電話・チャット)
この記事を読み切ったり、お金のメモを完成させたりする前に、気持ちを話す相談先を使ってかまいません。うまく説明できなければ「いま、つらい」からでも。
- 電話:#いのちSOS 0120-061-338(24時間365日・通話無料)
- 文字で話す:あなたのいばしょ(24時間365日・無料・匿名のチャット相談)
混み合ってつながらない場合は、もう一方の方法も使えます。今すぐ自分を傷つけそう、すでに自分を傷つけてしまった場合は、相談の返事を待たず119へ。可能なら身近な人にそばにいてもらってください。
まだ延滞していない人も、残高と生活費を見てみる
給料から返済できていて、督促も来ていない。それでも、返したあとの生活費が足りず、買い物をリボに回しているなら、返済日だけでは見えない負担があります。まずは次の3つを、同じ月の数字で並べてみませんか。
- 残高:今月と3か月前の借金の合計。銀行ローンやショッピングのリボ・分割も含め、増減を見ます。
- 元金:今月の返済額のうち、利息・手数料を除いて元金に充てられた金額。利用明細の内訳を確認します。
- 生活費:手取りから必要な生活費と返済額を引いて、いくら残るか。税金・更新料など、ときどき出る支出の積立も忘れずに。
たとえば、手取り24万円、生活費と臨時支出への積立が17万円、返済が6万円なら、残るのは1万円です。これは説明用の例で、この金額なら安全という基準ではありません。次の給料までにその1万円では足りず、また借りるなら、今の返済額を続けられるか見直したいところです。
借入件数や手取りに対する返済の割合だけで、「まだ大丈夫」「もう手続きが必要」とは決められません。同じ返済額でも、家賃や家族の生活費、今後の収入で負担は変わります。育休や転職などで収入が変わる予定があれば、変更後の手取りでも一度計算しておくとよいと思います。
「3か月前と比べる」は、これから3か月待つという意味ではありません。手元の明細と今日の残高を比べ、次は翌月の同じ時点に記録します。すでに生活費が足りない、借りて返している、返済に遅れそうな場合は、記録がそろうのを待たず相談先を確認してください。相談することと、手続きを依頼することは別です。
多重債務は「3社以上」とは限らない
多重債務は、複数の会社から借り、その返済が難しくなっている状態を指す言葉です。「3社になったら多重債務」という一律の境界があるわけではありません。
2社でも返済のために借りているなら危険です。一方、複数の契約があっても、残高・返済額・完済時期を把握し、収入の範囲で返済できている場合は、状況が同じとはいえません。
以下は説明用の架空例です。返済前の元金がA社40万円・B社20万円、合計60万円。A社から2万円追加で借り、B社へ2万円を支払うとします。その支払いのうち利息が3,000円、元金が17,000円なら、返済後はA社42万円・B社18万3,000円、合計60万3,000円です。
2万円を支払ったのに、元金の合計は3,000円増えています。これは金額の動きを説明する例で、特定商品の返済計算ではありません。実際の利息・手数料・返済方式は契約と明細で確認します。
自分の借入を、同じ日の残高で並べる
会員アプリや利用明細を見ながら、借入先ごとに次の項目を書いてみませんか。「あといくら借りられるか」ではなく、「現在いくら借りているか」の残高を使います。
| メモする項目 | 例:A社 |
|---|---|
| 借金の残高 | 40万円 |
| 金利 | 年18.0% |
| 毎月の返済額 | 12,000円 |
| 返済日 | 27日 |
| 返済資金の出所 返すお金をどこから出すか | 給与 |
| メモする項目 | 例:B社 |
|---|---|
| 借金の残高 | 20万円 |
| 金利 | 年18.0% |
| 毎月の返済額 | 8,000円 |
| 返済日 | 5日 |
| 返済資金の出所 返すお金をどこから出すか | A社の利用枠 |
「返済資金の出所」は、返すお金をどこから用意したか、という意味です。給与や売上なのか、別の借入なのかを書きます。別の会社から借りて返す行があれば、支払日を守れていても、借金を借金で回している状態です。
借入先や残高が分からないところは、手元の明細から探してみるとよいと思います。督促状を未開封にしている場合も、差出人と期限を確認してください。すでに返済日が迫っているなら、先に今月の返済が間に合わないときの対応を確認します。
こだまん表はきれいに作れなくてもかまいません。最後の欄に「給与」なのか「別の借入」なのかを書くだけでも、相談で伝えやすくなると思います。
自転車操業になっているか確認する
次のうち、ひとつでも当てはまる場合は、借入先を増やす前に返済計画を見直してください。点数を付けるためのチェックリストではありません。特に上の3項目は、件数に関係なく相談を検討するサインです。
- 返済のために別の会社から借りている
- 返済すると家賃・食費・公共料金が足りなくなり、また借りる
- 翌月の返済資金も借入で用意する見込みである
- 利用可能枠が増えると、使えるお金が増えたように感じる
- 毎月返しているのに、半年後の残高がほとんど減っていない
- 借入残高、金利、返済日を一覧にできない
- 新しい借入先や審査情報を繰り返し検索している
- 返済日が来るたびに、どの枠を使うか考えている
Xでは、延滞していない月でも、返済の出所が別の借入なら自転車操業です、という投稿が見られました。
リボから始まって、取り返そうとして、気づいたら止まらなくなった、という順です。社数より、今月の返済が給料から出ているかの方が先です。これは投稿者個人の体験であり、同じ結果が保証されるものではありません。
返せているように見える理由
自転車操業中でも、延滞せず返済日を通過できることがあります。そのため「まだ返せている」と判断しやすくなります。
しかし、A社から2万円借りてB社へ2万円返しても、借金全体は減りません。A社で新たに発生する利息と、B社の残高に対する利息が続きます。返済先が増えるほど、返済日と最低返済額の管理も難しくなります。
借入先が異なる複数の借金を合計して100万円で、それぞれ年18.0%、各契約の元本は100万円未満とする仮の例です。1年間、残高が変わらないと仮定すると、利息の合計は約18万円です。実際の利息は残高や返済方法で変わります。毎月払ったお金のすべてが借金を減らすわけではないので、明細で利息と元金への支払いを分けて見ます。
「毎月いくら払ったか」に加えて、「半年前と比べて元金がいくら減ったか」も見ると、返済の進み具合が分かりやすくなると思います。残高が減らない理由は、借金が減らない原因の記事と返済期間と総額を比べる記事でも確認できます。



返した金額は覚えていても、利息を引いた後にいくら減ったかは見落としがちです。頑張りが足りないと決めつける前に、明細の内訳を一緒に見てみませんか。
書いたメモを、相談でどう伝えるか
表を作るときは、同じ日の残高でそろえると比べやすいですね。返済直前と返済直後の数字が混ざらないよう、明細の日付も見ておきたいところです。ショッピングの分割・リボ、銀行ローン、知人からの借金も家計の返済一覧には含めます。ただし、総量規制の計算対象かどうかは別に分けます。
相談予約では「延滞はしていませんが、返済のお金を別の借入で用意しています。生活費を残すと毎月○円足りません」と伝えれば、この表を見せる理由が伝わります。金額がまだ分からなければ、分からないと伝えて構いません。
「あといくら借りられるか」は、預金残高ではない
カードローンやキャッシングの利用可能枠は、預金ではありません。契約中も利用状況や信用情報などを踏まえて審査され、追加借入が停止されたり、利用限度額が変更されたりすることがあります。
そのため、「A社の枠が空いたらB社へ返す」という予定は、枠が使えることを前提にしています。利用できなくなった時点で返済資金と生活費の両方が不足するなら、今のうちに別の解決方法を考える必要があります。
借入総額が年収の3分の1に近い場合
貸金業者からの個人向け借入には、借入残高が年収の3分の1を超える新たな貸付けを原則として禁止する総量規制があります。中小の貸金業者でも同じです。
一定のおまとめローンなど、法律上の除外・例外に当たる契約もあります。ただし、年収の3分の1を超えて無条件に借りられる制度ではなく、返済能力の審査があります。「総量規制を超えて借りられる会社」を探し続けるより、現在の残高をどう整理するか相談するほうが先です。
状況ごとに、次の行動を分ける
| 現在の状態 | 次に確認すること |
|---|---|
| 収入の範囲で返済でき、元金も減っている | 完済予定と総利息を確認し、追加借入を止める |
| 返済後に生活費が不足する | 家計を見直し、返済額を維持できるか確認する |
| 別の借入で返済している | 新規申込みを止め、債務相談を利用する |
| 総量規制付近で新たに借りられない | 追加借入ではなく、借換えや債務整理を含めて相談する |
| すでに滞納・一括請求・裁判所の書類がある | 書類と期限を確認し、法律相談を急ぐ |
家計の見直しで戻せる場合
家計の黒字額で毎月の返済をまかない、元金も減っているなら、固定費の見直しや繰上返済で完済を早められる可能性があります。ただし、生活予備費をすべて返済へ回すと、急な出費で再び借りやすくなります。返済額と一緒に、手元に残しておくお金も考えておけるとよいと思います。
おまとめローン・借換えを検討する場合
借換えによって金利や毎月の返済額が下がることはありますが、元金そのものが減るわけではありません。返済期間が延びれば、月額が下がっても総支払額が増える場合があります。比較するときは金利だけでなく、返済期間、総支払額、追加借入の可否を確認してください。おまとめローンの選び方の記事では、同じ150万円でも返済期間によって総額が変わる例を載せています。
専門家への相談を優先する場合
借入で返済している、毎月赤字になる、滞納している、裁判所から書類が届いた場合は、債務整理を含めた法律相談を検討します。任意整理・個人再生・自己破産は効果も条件も異なります。手続きの違いは債務整理の基礎記事、相談先の違いは弁護士・司法書士・公的機関の比較記事で整理しています。
弁護士または認定司法書士が債務整理を受任し、貸金業者が受任通知を受け取ると、正当な理由のない本人への直接取立ては規制されます。ただし、受任通知が借金を減額するわけではありません。その後の交渉や裁判手続きとは分けて考える必要があります。



通知が届いた後の連絡をどう扱うか、返済や生活費はどうするか。依頼した専門家に、そこまで聞いておけるとよいですね。通知が出た後にも交渉や手続きは続くので、次にすることをメモに残しておきたいと思います。
相談先の案内や相談そのものの料金と、電話をかける通話料は別です。下の番号には通話料がかかるものがあります。法テラスのサポートダイヤルは、個別の法律判断をする窓口ではなく、法制度や相談先を案内する窓口です。
借金や相談先について話せる窓口
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051、平日9時~17時。借入・返済・借金の整理方法などを相談できます。
- 法テラス・サポートダイヤル:0570-078374、平日9時~21時・土曜9時~17時。法制度や相談先を案内します。
- 金融庁の多重債務相談窓口一覧:全国の財務局などの窓口を確認できます。
- 消費者ホットライン188:最寄りの消費生活相談窓口につながります。
相談前に表を完成させられなくても構いません。分かる範囲の借入先、残高、返済日と、手元にある明細・督促状を用意できればと思います。「どこから整理したらよいか分かりません」というところから話してもよいですよ。
同じ返し方を続けないために、やめておきたいこと
- 返済資金を作るための新規借入
- 利用可能額を「使える残金」として家計に数えること
- 明細や督促状を見ないまま、頭の中だけで返済を回すこと
全部を今日解決しようとすると、手が止まることもあると思います。ただ、別の借入れで返すことが続いているなら、そのままにせず相談したい状況です。新しい申込みはいったん止め、今の残高と生活費を一緒に見直すところから始めてみませんか。
相談には、途中までのメモも使える
- 借入先、残高、金利、返済額、返済日を書く
- 各返済の資金をどこから用意しているか書く
- 借入で返済している場合は、新しい申込みを止める
- 相談窓口を1つ選び、受付時間を確認する
借入先の数より先に、「返済資金をどこから出しているか」を確認してください。別の借入から返しているなら、延滞していなくても返済計画の見直しが必要です。
書き出した表に、返済のお金をどこから用意しているかが一つでも書けたら、そのまま相談に使えます。きれいに説明することより、今の状況を伝えることから始められればと思います。









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[…] 家計簿アプリは、主に「毎月の家計」を把握する道具です。返済カレンダーと借金一覧は、各社の会員ページや利用明細で確認し、メモや表へ別にまとめます。複数社から借りている場合は、借入残高を1枚の表にする方法も参考にしてください。 […]