あなたは今、何をやめられなくて困っていますか。パチンコ、スロット、競馬、ボートレース、麻雀、カジノ。あるいはFXやオリパでしょうか。名前は違っても、「もうやめよう」と思ったのに、またお金を使ってしまう。その繰り返しで、ここにたどり着いた人もいると思います。
私もパチンコ、スロットをはじめ、FXやオリパまで、いろいろやってきました。「負けた分を取り返したい」だけではありません。収支がトントンに戻ったときでさえ、「もっと増やせる」と考えて、やめられなかったことがあります。
だから、ここで「意志を強く持ちましょう」とだけ言うつもりはありません。やめたいと思っているのにやめられない。その状態がどんなものなのか、病気の説明と私の経験を分けながら書きます。今すぐ電話をかける元気がなくても、まずは読めるところだけで大丈夫です。
FXや株式取引、オリパを利用する人すべてを、ギャンブル依存症と呼ぶものではありません。法的な分類や診断は別として、損失を追ってやめられず生活に困っている場合も、相談の際にその行動を伝えてください。
気持ちがつらいときの相談先(電話・チャット)
この記事を読み切ったり、お金のメモを完成させたりする前に、気持ちを話す相談先を使ってかまいません。うまく説明できなければ「いま、つらい」からでも。
- 電話:#いのちSOS 0120-061-338(24時間365日・通話無料)
- 文字で話す:あなたのいばしょ(24時間365日・無料・匿名のチャット相談)
混み合ってつながらない場合は、もう一方の方法も使えます。今すぐ自分を傷つけそう、すでに自分を傷つけてしまった場合は、相談の返事を待たず119へ。可能なら身近な人にそばにいてもらってください。
ギャンブル依存症とは。「好き」と「やめられない」は違う
ギャンブル依存症は「ギャンブル障害」とも呼ばれます。単にギャンブルが好き、使った金額が大きい、というだけの話ではありません。お金や仕事、人間関係に問題が起きているのに、賭ける行動を自分で抑えにくくなっていることが中心です。
例えば、使うのはここまでと決めたお金を超えてしまう。負けたままでは帰れず、次の日も取り返しに行く。家族には少ない金額を伝えたり、使ったこと自体を隠したりする。こうしたことが重なると、負けた金額だけでなく、くらしそのものが苦しくなっていきます。
一方で、借金ができるまで相談を待つ必要はありません。「自分の給料の範囲だから」「仕事には行けているから」と思っていても、やめたいのに繰り返してつらいなら、その困りごとは相談してよいものです。診断は医師が行います。相談する前に、自分で病名を決めなくてもかまいません。「やめたいのに繰り返してしまう」という困りごとから話してよいと思います。
症状の説明は依存症対策全国センター「ギャンブル依存症の症状とサイン」を参照しています。
「今回は勝てる」が、負けた記憶より強くなる
「ここまで負けたのだから、そろそろ戻る」「一度大きく勝てば、借金をまとめて返せる」。そんな考えで続けているなら、実際の収支と、頭の中で期待している結果が離れていないかを見直したいところです。
私の場合は、取り返せたところが終わりになりませんでした。トントンまで戻ったのに、さらに増やせると思った。負けているときだけ気をつければいい、という話ではなかったんです。
依存症対策全国センターは、勝った記憶が強く残ることや、負けが続いても最後には勝てると思うことなど、ギャンブルに対する考え方の偏りを説明しています。治療では、こうした考え方と実際の行動を一緒に見直します。ギャンブル依存症の特徴と治療
気合いだけの問題ではない。でも、回復を諦める話でもない
依存症には、刺激や報酬に反応する脳の働きが関係します。同じ刺激では物足りなくなったり、やめようとしても強い欲求に引っ張られたりするため、「反省が足りない」で片付けることはできません。
だからといって、一生どうにもならないという意味でもありません。厚生労働省は、適切な治療と支援によって回復できる病気と説明しています。自分を責め続けることと、次に使わないための手を考えることは別です。厚生労働省「依存症対策」
私も依存症外来で相談しました
私も、依存症外来でカウンセリングとチェックを受けたことがあります。
チェックは、相談や診察のきっかけを見つけるためにも使われます。SOGS(ソグス)は、依存症の可能性がある人を見つけるための質問票の一つです。このような検査を「スクリーニング」といいます。厚生労働省の資料でも、一定の点数以上を「疑いあり」としています。ネットのチェックの点数だけで、診断が決まるわけではありません。
「自分はどうなんだろう」と思った方は、大阪市が公開しているセルフチェックも見てみてください。SOGSとは別のチェックですが、自分の行動を振り返る入口になります。結果にかかわらず、やめられなくて困っていることがあれば、そのまま相談してよいと思います。
大阪市のギャンブル等依存症セルフチェックを見る
リンク先の「ギャンブル等依存症とは」にチェック項目があります。診断を確定するものではありません。
下は正式な検査ではなく、相談するときに話す内容を整理するための項目です。数を足して病名を決めるものではありません。
- 負けた分を取り返すために、予定していなかった追加のお金を使っている
- 使った金額や回数を、家族や周りの人に隠している
- やめる・減らすと決めても、何度も同じことを繰り返している
- ギャンブルのことが気になり、仕事や約束、眠る時間を後回しにしている
- やめようとすると落ち着かず、その気持ちを紛らわすためにまた使ってしまう
- 生活費を使ったり、お金を借りたりして続けている
「これ、自分のことだ」と思う項目があれば、該当する出来事を一つだけでも伝えてみてください。金額を正確に覚えていなくても、全部話す準備ができていなくても、相談を始めることはできます。SOGSの位置づけ:厚生労働省の相談支援資料(PDF)
ギャンブルに使っていた時間を、別のことへ
FXでの出来事をきっかけに、私はギャンブルから離れ、相場も見ない生活に切り替えました。
今はジムへ行って、プールで泳いでいます。自分でつまみを作って、ほどほどにお酒を楽しむこともあります。こうしてAIを使いながらブログを作るのも、今は楽しいです。ギャンブルをしていない時間を、そんなふうに過ごしています。
ただ、これは私の過ごし方の一例です。泳ぐことやブログ、飲酒を、依存症の治療として勧めているわけではありません。私と同じ趣味を見つけたり、やめられた期間を比べたりする必要はありません。
今日も使ってしまった人と、しばらく使わずに過ごせている人では、今必要な助けが違います。まずは、今の自分の状態からでいい。そのために、次は治療や相談で何をするのかを書きます。
病院や相談先では、何をするのか
最初の電話は、例えばこうです。「ギャンブルをやめたいのに繰り返しています。借金のこともあり、初めて相談します。予約はできますか」。これは読み上げ用の例です。自分の言葉に直す余裕がなければ、そのまま使ってください。
初めての相談では、何から話せばいいか迷いますよね。まずは「何をやめられないのか」「生活で何に困っているのか」の二つからでかまいません。医療機関によって予約や診療の進め方は違いますが、依存症の相談では、行動とくらしの両方を整理していきます。
治療方法の一つに認知行動療法があります。難しい名前ですが、どんなときに使いたくなるのか、そのとき何を考えているのか、別の行動を取るにはどうするかを扱う治療です。単に「二度としません」と約束するだけではなく、実際の場面への対処を考えます。グループで取り組む医療機関もあります。依存症対策全国センター「依存症のための心理療法」
同じ問題を経験している人たちの集まりとして、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)などの自助グループもあります。病院の診療とは別の支えです。自分にはどんな場が合いそうか、地域の相談窓口と一緒に探すこともできます。
相談窓口・専門医療機関を探すでは、地域とギャンブル等依存症の項目を選べます。病院選びで止まってしまったら、保健所や精神保健福祉センターに「どこへ相談したらいいか分からない」と尋ねるところからでもかまいません。
お金の問題と、やめられない問題を分けてみる
借金があると、頭の中が返済日と金額でいっぱいになると思います。でも、借金を整理することと、ギャンブルを繰り返さないための支援は、片方だけで済む話ではありません。弁護士への相談と、依存症の相談を並行してもいいんです。

今月のお金が足りないなら、金額より先に期限を
まず守りたいのは、食費、家賃、通勤費など、暮らすためのお金です。いま全部の借金を計算するのが重ければ、「次に、誰へ、いつ払うか」から確かめてみてください。払えない分をギャンブルで作ろうとせず、支払先や相談窓口に、期限までに足りないことを伝えておきたいですね。
具体的な連絡先と順番は今月の返済ができないときに今日やることにまとめています。債務整理も含めて相談したい場合は借金の相談先の選び方へ。
「見ない」「すぐ使えない」を、一緒に考える
私が今していることの一つは、相場を見ないことです。ただ、読者のみなさんのきっかけが同じとは限りません。店の前を通ることなのか、通知なのか、給料日なのか、夜に一人になる時間なのか。使いたくなる場面を、相談先で具体的に話してみてください。
通知を止める、関連アプリを開かない、生活費の管理を支援者と相談する。こうした方法は、仕事や日常に必要な利用を残しながら決めます。家族にすべて監視してもらえば解決する、ということではありません。家族だけに負担が集まらないよう、専門家も交えて、続けられそうな方法を考えていけるとよいと思います。
借入を増やさないための選択肢には貸付自粛制度もあります。本人からの申告が原則で、登録すればあらゆる借入が必ず止まる制度ではありません。利用を考える際は、日本貸金業協会の案内とあわせて確認してください。
また使ってしまった日も、そこで相談を終わりにしない
「やめると言ったのに、また使った」。その報告は、言いにくいと思います。それでも、使ったお金を一人で取り返そうとして、さらに賭け足す前に、相談している人へ伝えてほしいです。
何がきっかけだったか、何に使ったか、生活費や返済にどんな影響があるか。自分を責めるためではなく、次の対策を考える材料として話してよいと思います。支援の受け方や、お金・端末の管理方法を見直すこともできます。これまで使わずに過ごした日まで、なかったことにする必要はありません。
家族の方へ。あなた一人の責任ではありません
約束を破られたり、借金が後から出てきたりすれば、怒りや疲れがあって当然だと思います。「病気なのだから理解して」と言われても、それだけでは納得できないですよね。家族にも生活があり、守りたいお金があります。
依存症という説明は、家族が被害を我慢したり、すべて肩代わりしたりする理由ではありません。本人が受診を嫌がっていても、家族だけで保健所や精神保健福祉センターへ相談できます。本人への支援だけでなく、家族自身の困りごとも相談できる先を持てるとよいですね。厚生労働省の本人・家族向け案内
借金を知った直後の対応は家族の借金が発覚したときにもまとめています。脅しや暴力など差し迫った危険がある場合は、安全を優先して110番へ。
ギャンブル以外の「やめられない」で困っている方へ
ホスト、買い物、推し活などで使いすぎてしまった人も、ここでは対象外だと閉じないでください。何に使ったかだけで同じ病名になるわけではありませんが、やめたいのに繰り返して困っていることは、精神保健福祉センターなどへ相談できます。借金ならお金の相談先、今は気持ちを話したいなら電話・チャットの相談先へ。お酒の問題もある場合はアルコールの相談案内もあります。
私も、まだ途中です
ギャンブルから離れた時間に、泳いだり、料理をしたり、ブログを作ったりしています。今この記事を書いている私は、そういう途中にいます。「もう大丈夫」と言い切るためではなく、現在地をそのまま残しておきたいと思います。
読むだけで終わる日があってもいいと思います。もし一つだけ動けそうなら、上の相談先を保存するか、誰かに「やめたいのにやめられなくて困っている」と伝えてみてください。全部を片付けてから相談する必要はありません。
私の借金とギャンブルの経過は実録・第一部にも書いています。つらい場面を含むので、今読むのがきつければ無理に開かなくて大丈夫です。
オリパで使ったお金は、約200万円を支払ったオリパの体験記にまとめました。支払記録を振り返る実録です。購入を勧める記事ではないので、ご自身の支出を見直したいときに読んでいただければと思います。
